クリスマスを彩るイチゴの話

クリスマスケーキをきれいに彩るイチゴ。そのため、イチゴの旬は冬だと思っている方も多いのではないでしょうか?

 事実、淀橋市場でもイチゴの入荷は11月から翌年5月まで続きます。しかし、本来のイチゴが実をつける時期は4月から6月です。

 それが、クリスマスで需要が大きく伸びたため、ハウス栽培で11月から出荷しているのが現状です。

 ところで、イチゴを果物だと思っている方がほとんどだと思いますが、実はイチゴは果樹ではなく草本性の植物であるため、農研機構(国立研究法人 農業・食品産業技術総合研究機構)では「野菜」に分類しています。

枕草子にも登場

 イチゴは古くから私たちの生活になじみのある食物で、清少納言の書いた枕草子にも登場しています。枕草子四十九段「あてなるもの」(高貴で優美な感じのこと)に

「梅の花に雪の降りたる。いみじううつくしきちごのいちご食ひたる」(梅の花に雪が降っている景色。とてもかわいい幼児がイチゴを食べている様子)【古典文学と野菜・広瀬忠彦著・東方出版】と、記されています。

ちなみに、 淀橋市場の卸会社・東京新宿べジフルの出荷カレンダーには、

「紅ほのか=静岡遠州夢咲農協」

「さがほのか=佐賀県唐津農協・熊本県は八代農協」

「あまおう=福岡県三潴町農協・同県久留米市農協」

「とちおとめ=茨城県北つくば農協・栃木県しもつけ農協(栃木市、壬生)・同県那須野農協・千葉県・千葉みどり農協」

 と、時期と出荷者が明示されていますが、農林統計による昨年度のイチゴの収穫量のトップスリーは「栃木県」「熊本県」「静岡県」となっています。

 イチゴには、ビタミンCが豊富に含まれているため、お子様の風邪の予防やあなたの美肌作りに貢献します。淀橋市場にも、これから美味しいイチゴがどんどん入荷してきます。是非、ご期待ください。(W)