その4 中屋青果店
昭和25年開業
渋谷区で60年以上続く八百屋さん
昭和61年。
淀橋市場から野菜を仕入れる八百屋さんが「もっと野菜の事を知ろう」と、勉強会を始めました。同じ野菜でも異なる産地を食べ比べたり、最適な調理法(茹でる・蒸す・炒める等)を研究したり。この勉強会から生まれたのが「八百屋が作った『八百屋の教科書』」。
今でこそ「野菜ソムリエ」という資格があったり、野菜や果物の解説本が何百万部のヒットを飛ばしたりしていますが、このような「野菜ブーム」の先駆けかもしれません。
この勉強会に参加していたのが中川さん。(「八百屋の教科書」にも登場しています。)先代が昭和25年に開いたお店「中屋青果店」を若くして引き継いだ、とても勉強熱心な八百屋さん。今や当たり前の野菜の「パック包装」や「POSレジ」も、いち早く導入したのだとか。
お店は駅から離れた住宅街にあり、決して立地が良いとは言えません。しかし侮るなかれ、しっかり常連さんがついています。「おいしいバナナを食べたいから」とか「目当てのトマトが他の店になかったから」と、最後の最後にたどり着く方も。
中には、普段はお店に来ないけど、お中元やお歳暮の時期になると、決まって電話で注文する方もいるのだとか。中屋さんへの信頼度が窺えます。
まさに知る人ぞ知る、青果の目利きのお店なのです。
店先で、変わったものを見せてもらいました。まるで漢方薬の材料のような、乾いた根っこ。これは何だろう・・・?
これは三河の三州生姜(サンシュウショウガ)だそうです。
割ってみると、黄色が鮮やか!爽やかな香りが広がります。
一般的に流通しているのは「近江生姜」という品種だそうです。大きくてゴツゴツしているものですね。
この三州生姜は繊維が柔らかく、すりおろしても繊維のスジが残らないのが特徴。まるで新生姜と近江生姜の良い所取りですね。黄色が濃く、少量でもピリリと効くので、冷奴に最適だとか。
今はボリューム感から近江生姜がメジャーとなっていますが、これぞ「幻の生姜」。
このような知られざる名品を扱っているのも中屋さんの魅力なのです。
「真面目にやっているだけですよ」と、控えめに話す店主の中川さんですが、その誠実な仕事や人柄が信頼につながっているようで、自然とお得意先が広がっていくのだとか。さすがですね。
この日、取材班は桃、ハウスみかん、バナナを購入いたしました☆彡
どれも見た目は普通の桃、みかん、バナナ。ですが…
食べてみると・・・うわ~おいしい!!!!
お値段は某高級百貨店よりお手頃ながら、お味は百貨店級なのです♪
百貨店では腰が引けてしまう根っから庶民の私にも、こんなにおいしい果物が食べられるなんて幸せ♪八百屋さんは庶民の味方ですね!
中屋さんでは宮古島のマンゴーや蒲郡のハウスみかんなど、季節の選りすぐりの果実を取り扱っています。フルーツ好きにはたまらない品揃えですね。
【取材K&K】
アクセス
京王線・幡ヶ谷駅徒歩15分
京王線・初台駅徒歩15分
中屋青果店
渋谷区本町5-18-1
お店の詳細はこちら!ぜひご覧ください。